管理人のユミシモンです。
今回は、馬手(妻手:めて)、または勝手、すなわち右手側(弽を付ける側)について考えます。
押手(おしで)(左手)に対して 勝手(かって)(右手)
弓手(ゆんで)(左手)に対して 妻手・馬手 (右手)
その中でも、会から離れに繋がる部分の修得のための小道具(オリジナル)について書きます。
妻手の中の指の形について
まず、前提として妻手の指の形を確認しておきます。
管理人の指の形は、おそらく少数派であると思われますが、理にかなっていると考えて実践・追求しています。
一般的な形:親指の上に中指が乗っている
■こちらが管理人の形:親指は中指第1関節の腹に付ける
弦の通り道を閉じた形の角度が管理人の形の方が浅いことが分かってもらえるでしょうか。
したがって、離れの時、指が動く範囲が少なく、抵抗も少ないので弦が抜けやすいということが、なんとなく伝われば幸いです。
また、この形が正しくでき、手首曲がらず、ひねりがきいた状態で肘から引くことが出来ると、親指は自然と弽の帽子の中でまっすぐに伸びます。
妻手がつぶれることもありません。
しかし、個々に指導者がいると思いますので、その教えを大切にしていただければと思います。決して、押しつけるわけでも、それぞれの形を否定するつもりもありません。
ただ、いろいろと考えるということは弓道の奥深さや楽しみの一つでもあるということです。
※この形は範士八段の師匠から直接教えていただいたものです。
親指に装着する小道具(その1)
一般的に、妻手に挿す「弽(ゆがけ)」には、弦枕(つるまくら)と呼ばれる、弦が引っかかる段差があります。
しかし、管理人の場合、弦枕はあくまでも補助的なものに過ぎず、妻手のひねりによって自然に弦の発射が制限されている状態になっています。
そもそも、弦枕がなくても弓を引くことができるのです。
弦枕をあてにせずとも引く練習のための小道具が今回紹介するものになります。
厚めの皮で作られたこの小道具の腹を見てもらうとわかりますが、いわゆる「弦枕」のような段差は一切ありません。
この小道具を使って、巻藁で練習をします。
弽は使用しません。妻手はこの小道具のみです。
むろん、普通に「会」まで至り、「離れ」をともないます。
そのために、先ほどの指の形を身につけておく必要があります。
親指の関節は曲がらないように、堅く作られています。
決して、親指を曲げて弦を抑える(止める)わけではありません。
親指に装着する小道具(その2)
その1の小道具で練習をした後に、こちらを使います。
こちらは、鹿革なので非常に柔らかくできていますが、同じく「弦枕」はありません。
柔らかいため、親指を曲げて弦を抑えることも可能ですが、その1の小道具で親指を曲げない指の形が身についているので、同じように引くことが可能になります。
より自然な離れを目指すために師匠が創意工夫して作ったものをいただきました。
まとめ
きっと、個人で工夫をして楽しんだり、研究したりしている人がいると思います。
そのような人たちも、是非、いろんな人に見聞きしてもらって、よりよいものを生み出してくれたらいいなと思い今回の小道具を紹介することにしました。
また、弓道自体も歴史が古く、完成されたもののように考えてしまいがちです。
ですが、現代の私たちも弓道の中に創意工夫をしたり、国際的にも弓道が広がって発展するよう閉鎖的な考えは持たないことが実は大切なのではないかと思うのです。
ひよっこが少し背伸びしてしまったでしょうか。
どうぞお許しください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。