前回は、弓道の的中【束中】・【皆中】について書きました。
今回は、道場以外の練習方法とストレッチ方法について記事にしました。
弓道場以外の場所での練習について
仕事をしている社会人や大人の方は、なかなか弓道場へ通うことができず、練習機会が減ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
かといって、自宅に巻藁(まきわら)を用意できる方は少ないですよね。
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弓を持っていて、自宅の天井が高ければ、弦を張って肩入れまでを繰り返して(素引き)もいいのですが、不用意に弦を離して怪我をしてもいけませんので、あまりお薦めできません。
やはり、弓道場に行って、道着に着替えて練習をできるのが一番いいのですが、行けない日には、みなさんどうしていますか。
ごくありきたりですが、私は写真のゴム弓(座右弓)を利用しています。
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いろいろな種類のゴム弓が世の中にはありますので、使用している方の話や好み、価格などを参考に用意してもよいと思います。
以前は、壊れた竹弓を切って穴を開け、握り革もきちんと作ってから、買ってきたゴムを通して使っていたときもありました。
いまは人にあげてしまったので、こちらの座右弓を使っています。
市販のゴムだけを使って練習するのもありです。
また、長期間使わない人もいるようで、フリマアプリなどに安く販売されていることがあります。時々覗いてみると送料込みも多く、安く手に入れることができるかもしれません。
出品理由に「部活をすぐやめてしまったので」という言葉があると少し悲しいですが、道具は使ってなんぼなので、引き取って使ってあげましょう。
ゴム弓は、筋トレ目的ではなく、射型を整えるためのもの
弓を実際に使用するときには、弓力にあった弓を使うように、市販のゴム弓だと、人によっては、必要以上に強く(きつく)感じる人がいたり、弱く感じる人もいるかもしれません。
あなたがどちらかに感じたのであれば、ホームセンターなどでいろんな種類のゴムを販売していますので、適当な(体力に合った)強さのゴムに付け替えて利用することをお勧めします。
ゴム弓の見た目が悪くなるので恥ずかしいと言う方もいるようですが、ゴム弓の練習で射型を崩してしまっては意味がありません。
実は、もう一つゴム(画像右側の紫色)を持っているのですが、こちらは筋力低下を防ぐのと筋力アップを同時にまかなうために用意したものになります。
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俗にいうトレーニングチューブです。チューブには、ソフト・レギュラー・ハードなどといった種類があるので、自分の体力に合ったものを用意しましょう。
私は、パープルを利用していますが、15kg以下の人であれば、ブラックの強度で十分だと思います。
また、結構長めなので、持つ位置を変えることで、ある程度の強弱は自分で変えることができますから、1本あると便利ですので、お勧めです。
長さもいろいろありますので、ご自身の目的に合わせるといいですよ。
強い弓を引くために筋力をつけようとする方もいると思います。
私はそれを否定することはしませんが、弓道の場合、強く硬い筋肉だけではよい行射が行えないことを自分なりに理解しています。
では、トレーニングチューブをなぜ使うのかと言われてしまいそうですが、弓道を行うためには初心者が想像する以上にいろいろな筋肉と関節を協調して使ってあげる必要があります。
そして、人の身体の構造は百人いたら百通りの違いがあります。
筋肉や関節の動きは、普段の生活と弓道での動きにも違いがあります。
私は他のスポーツも経験してきているので、自分なりに補完すべき筋肉や柔軟性を考えながら負荷を与えたりしています。負荷を与える部位は、弓道の体配や射技に使う部位だけではありません。
子どもの頃のように野山を駆けまわっていたころは、かなりの筋肉を自然に使っていたと思うのですが、現在の生活環境では相当不足しています。
ですから、表現としては筋トレよりも柔軟さを復活させるために使用しているといった感じでしょうか。
肩を痛めてからというもの、かばいすぎて柔軟性がなくなってしまいました。
直そうと意識はするものの、背中側で手を上下に組めなくなっている自分の身体の硬さに悲しくなります。
柔軟に動かせるとよいポイントは肩甲骨周り
どの場所も、強く柔らかい筋肉を維持できるのが理想です。
しかしながら、ここだけはという場所について1つあげておきます。
その場所は、「肩甲骨周り」
仕事で身体全体を動かしていろんな作業をしている人、水泳をしている方は大丈夫かもしれませんが、初心者で、身体が硬いと思っている人は、ここを今から柔らかくする努力をしましょう。
では、せっかくなので、今やってみましょう!
PCで読んでいる人は、椅子に座ったまま、スマホやタブレットの方は置いてからやってみましょう。
1.身体の前で腕を伸ばし、手のひらを合わせます
1-1.ゆっくりと息を吐きながら、そのまま両腕を前へ前へ伸ばします。
(両方の肩甲骨が左右に離れるイメージです。背中が少しくらい丸くなっても構いません)
1-2.伸ばしきったところで5秒数えてから、リラックスします。
これを3セット行い、次に移ります。
2.両腕を開き、肘は90度位にして肩の付近まで上げます
(バンザイしてから、肘を下ろして90度にする形)
2-1.肘の高さを維持したまま、今度は両腕を後ろに開きます。
左右の肩甲骨の上側が互いに近づく感覚が分かるのが理想です。
どうでしょう、気づけましたか?
2-2.形は同じまま、手のひらが肩の高さくらいにくるまで、肘を柔らかく曲げて下ろします。
同じように後ろに開きます。
すると、先ほどより低い位置で左右の肩甲骨が近づくのが分かると思います。
これをそれぞれ2セット行い、次に移ります。
3.「2」の最初の姿勢のまま、頭上に向かって両腕を上げます
(バンザイしてから、肘を下ろして90度にする形から)
3-1.両手のひらが頭上で交差する形になります。
3-2.目一杯交差したら、今度はゆっくりと両肘を体側に付くくらい下げてきます。
このときに、肩甲骨が動いていることが分かるのが理想です。そこに意識を持っていきながら動かしましょう。
これを2セット行います。
柔軟性を確保する方法は、他にもいろいろあります。
しかし、以上の動きを気がついたときに行っておくだけで、間違いなく肩甲骨周りの筋肉が伸びたり縮んだりして柔らかくなっていきます。
昇段すればするほど、この部位の大切さに気がつきますから、初心者だからといわずに今から柔らかくしておきましょう。
練習に行けない期間が長期にわたる場合、早気などに苦しむ人はコチラの記事も参考に直すことをオススメします。
また、本当の初心者さんは、コチラの記事もどうぞ。
次回は、弓道競技の規則やルールについて説明します。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。