こんにちは、ユミシモンです。
今回は、矢の筈(はず)が割れ(壊れ)ましたので、いざというときに知っておいた方がよい修理方法(外し方)でやってみます。
弓具店が近くにない人のほうが多いと思いますので、是非覚えて上手に筈の抜き方を覚えましょう。
筈が割れる原因について
1.中仕掛けを通常より太く作りすぎてしまい、そのまま弦をはめ込んで使用を継続。
筈に過度の圧力がかかり、あるとき耐えられなくなって割れる。
2.安土に刺さった矢に、後の矢が接触した時に割れることもある。
3.他には、手に持つ矢の長さをそろえるために道場の床に筈を打ち付けた時に割れることもある。(学生などに多い事例か)
壊れた筈の外し方
ノーマルパターン(ペンチのみ使用)
上記の画像の程度の割れ方であれば、ペンチやプライヤーでつかんで外すことも可能。
ただし、外すときには、後ほど掲載するように蒸気で筈の差し込まれたあたりをまんべんなく回転させながら蒸気の熱を加えた後に「真っ直ぐ」引っ張って抜くこと。
決してペンチでつかんだ側を前後左右に傾けながら抜いたりしないこと。
イレギュラーパターン(ネジ使用)
場合によっては、弦をつがえる部分が両方とも割れて墜ちてしまい、矢に筈の根元だけが残ってしまうというケースが起きることがあります。
そうなると、ペンチではつかみきれずに抜くことが不可能になるケースがあります。
そのようなときに、確実に抜き取る方法を紹介しておきます。
☆いいものだけをあなたに♪☆
一般的なペンチは、先端が平らなので、円形のモノをつかむことには適していません。
そこで、「ネジザウルス」という商品を紹介しておきます。
こちらの一風変わったペンチは、芸能人でいろんなモノを工作してしまう所ジョージさんも絶賛している一品です。『所さんの世田谷ベース』という番組でも、「素晴らしい!」を連呼していました(笑)
値段もリーズナブルな上に、ねじ穴がつぶれてしまったネジをも先端のギザギザ部分でつかんで外してしまう程の実力の持ち主。私もいろんな場面で愛用しています。
これは、弓道用ではないのですが、筈や矢尻の交換の時にはたいへん役に立ちます。
一家に一台、【ネジザウルス】といっても大げさではないですね。
いつのまにか色違いなどバリエーションも増えてきました。
【エンジニア ENGINEER】エンジニア ENGINEER ネジザウルスGT PZ-58Y 限定イエロー
閑話休題
で、今回は、ネジザウルスをどんな風に使うかというと
1.ネジを火で熱し、筈にねじ込む
画像のように、ご家庭で余った「ネジ」をご覧のように掴んで使用します。
DIYしないから、ネジなんてない!という方は、壁にねじ込むL字フックなどでも代用できますよ。
ネジ自体は、筈より細ければなんとかなるでしょう。
理想は4mmくらいかなと思いますが、どうせ使い切りで処分することになるので、使用済みの古いモノでOKです。少々錆びていても使えます!
掴んだネジを、火であぶります。
ガスレンジなどがあれば、30秒も炎で熱すればいけると思いますが、ロウソクやライターの弱い火の場合は、1分以上あぶって熱を加えてみてください。
火事にならないように気をつけてくださいね♪
次の画像のようにプラスチックの割れた筈の真ん中にねじ込んでいきます。
十分熱が加わっていれば、プラスチックの筈を溶かしながら簡単にねじ込むことができます。
シャフトに当たらないようにだけ、注意してまっすぐ差し込みましょう。
無事差し込んだら、十分に冷えるまで次の工程には進まないように!
2.蒸気をあてる
十分に冷えたら、ヤカンでお湯を沸かします。
沸騰して注ぎ口から蒸気が出てくるようになったら、画像のように蒸気を赤い矢印の辺りにあてます。
矢をゆっくりと回転させて熱を周囲全体に加えます。
今回のケースは、筈の付け根に木工用ボンドを使用している前提。
素材としては、プラスチック系の筈を使用している、ジュラ矢・カーボン矢が対象です。
熱を加えることによって、割れた筈を抜きやすくします。
蒸気のあて方にもよりますが、数分程度はあてた方がよいでしょう。
3.筈の抜き方
最終的には、再びネジザウルスで突き出ているネジ頭側を掴んでまっすぐ抜きます。
ネジが固まっていれば、少し回しながら抜くこともできるでしょう。
決して、前後左右にこねくり回さないことです。
シャフトの穴が開いてしまい、新しい筈の収まり具合が悪くなります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
筈をつかめる部分が残っていれば、蒸気をあてる工程からネジザウルスだけで抜けると思います。
しかし、本当に筈をつかめないほどの状態になったら、今回の方法を是非お試しください。
奥に押し込まれても、今回の方法で修理可能です!
やったことのない方にも、案外簡単にできそうだと感じてもらえたら幸いです。
おまけ
また、新しい筈を取り付けるときには、筈の根元に木工用ボンドを少し塗ってから差し込みましょう。はめ込むと、ボンドがはみ出してきますので、綺麗に拭き取っておくこともお忘れなく。
筈の取り付けの時、弦の通り道が、走り羽根と同じ位置になるように取り付けることも忘れないでくださいね♪
最後まで読んでいただきありがとうございました。