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弓道初心者の方へ|継矢(つぎや)とは|どのような状態のことかお答えします

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前回は、初心者の審査はいつ受ける?についてお伝えしました。

弓道場には、場所によってだが「継ぎ矢」を飾ってある道場があります。

「継ぎ矢」という言葉を初めて聞く方には、何のことか分からないと思いますのでこちらの記事を読んで覚えておきましょう。

継ぎ矢とは

「継ぎ矢」とは、甲矢(先に射る矢)を後に射る乙矢(2番目に射る矢)の矢尻(矢の先端)が、甲矢の筈(はず)(矢の羽側の後部、弦を差し込む部分)を打ち抜くことをいいます。

一般には、まるで矢が2本繋がったかのようになる現象のことです。

この写真は、私が継ぎ矢をしたときの甲矢の壊れた筈部分を記録として残すために撮った1枚です。

筈は完全に崩壊して跡形もなく、そこには乙矢が突き刺さっていました。矢を射たときに、的の方で聞き慣れない音がしたので、嫌な予感がしたのですが、やはり継ぎ矢でした。

一人で練習していれば、的の様子を残そうとカメラを取りに戻るところでしたが、次の練習者がいたので早々に抜いて道場内に戻りました。

気の知れた仲間だけであれば、写真を撮るくらいは許してくれたかもしれません。
次は頼もうかと考えたのですが、矢が壊れるのはもう勘弁ですね。

矢にも種類があって、今回はイーストンカーボンの矢になります。

竹矢やアルミだと、弓力にもよりますが、もっとダメージは大きくなります。

道場に飾ってある継ぎ矢

飾ってある継ぎ矢には、※射込み練習で何本も引いた後に継ぎ矢をしたのではないかと思われる、異なる矢の組み合わせの継ぎ矢を見かけることもあります。

※射込み練習

1つの的に連続で、場合によっては複数の人の矢をたくさん射ること。学生さんなどは、人数が多かったり、練習時間を多くするために行うこともあるようです。
アニメの「ツルネ」でもマサさんが連続で射込みをしている場面がありますが、継ぎ矢などの原因となるので、基本的にお勧めはできません。

さらによく見ると、乙矢に甲矢が刺さった継ぎ矢をみつけることもあります。

飾るなら、一手(2本:甲矢に乙矢が刺さる)で中てたものを分かるように飾ってあるといいのではないかと思います。

なお、継ぎ矢の現象自体は、確かに珍しいです。

普段、直径1尺2寸(36cm)の的すら外すことがあるのですから、直径1cmもない矢の筈(後部)を狙って中てるなんてことは、ほぼ不可能です。
ゴルフでいうところのホールインワンと同じかそれ以上だと思います。

ところで、この継ぎ矢の場面が「ある本」にも紹介されています。

オイゲン・ヘリゲル 著 「弓と禅」(福村出版)

本の後半「暗中の的」の中で、阿波研造師範が蚊取線香のみが目印となる真っ暗な安土の的に向かい弓を引く

結果として継ぎ矢(正確には竹矢なので甲矢を突き破って2本並んだ矢)となっているのを著者が矢上げ(矢を引き上げること)に行き、継ぎ矢になっているのを見つけて感嘆するという内容です。

私も自身が継ぎ矢をする前に、「弓と禅」は読んでいました。

しかし、継ぎ矢をしたとき著者のように驚いたりはしませんでした。
(買ったばかりの矢が壊れたショックはありましたが)

それは、自身が継ぎ矢をする前に、私の師範と継ぎ矢についての会話をしていたからです。

甲矢と乙矢の違いには、先に射るか後に射るかの違いだけでなく、根本的に大きな違いがあります。それは、羽を篦(の:シャフトのこと)に貼り付けるときに向きが違うことです。そのことによって弓から放たれた矢が飛んでいくとき、甲矢と乙矢は回転する向きが異なります。

回転する向きが違うということは、全く同じ「射型」で弓を引き、同じ「離れ」で矢を射たならば、たかだか28mの距離でも、的への到達地点は異なります。

つまり、継ぎ矢をするということは…

同じ射型・同じ離れで引けていない

このことが頭の中にすでにインプットされていたため、喜びや驚きは生まれてこなかったのです。

もちろん私の場合も、最初の一手であって、的に中った甲矢に乙矢が突き刺さった継ぎ矢ではありました。
※なお、的に中った矢に継ぎ矢をした場合でも「的中」扱いになります。

当時、管理人は四段で、今よりも未熟だったというのもあります。
ただ素直に、「同じ離れができなかった」のだなと反省しました。

継ぎ矢とは、ちょっと見方を変えると「失敗した離れ」なのかもしれません。

矢所としては、ほぼ同じところに飛んでいるのだから恥じることはないのですが、本当に複雑な気持ちになりました。

 

ただし、弓道は何かを決めつけてしまうと真理から遠ざかることがあるので、私のこの書き込みは、「そういう見方もあるのか」程度にしておいていただければと思います。

それでは、本日はこの辺で。

次回は、基本の姿勢と基本の動作について記事を書きます。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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