前回は、弓座について書きました。
今回は、初心者よりも経験者に向けたお話になります。
初心者の方も、いつかは通る道になると思いますのでご覧ください。
矢の種類について
ジュラ矢の種類については、以前取り上げていますので、コチラのページをご覧ください。
初心者のうちは、価格も抑えられたアルミ等のいわゆるジュラ矢を購入して使用していると思います。他には、カーボンシャフトなどの同じく人工物を使用した矢を使用したカーボン矢も広く出回っています。
どちらにも共通することは、人工物なので品質が均一であるということですね。何を当たり前なことをと思うかもしれませんが、素材が天然の竹を使った竹矢と違い、シャフト=篦(の)は継ぎ目も無く、真円であることから空気抵抗の面でも圧倒的に有利です。
さらに、弓力に合わせたシャフトの強度を選べるのも魅力の一つですね。矢が飛んでいくときには、シャフトが左右にたわみながら回転して飛んでいくので、強い弓から放たれる矢にはシャフトの強度が必要になります。
弓道が上達してくると、射手は、射られた矢が大きくたわみながら飛行したか、ほぼぶれなくまっすぐ飛んでいったのか分かると思います。もちろん、ぶれが少なくなるような離れを研究しましょう。
さて、天然素材の竹から作られる竹矢はどうでしょう。
もちろん、矢師は素材の切り出しから関わって狂いの無い矢を製作しているのですが、節(ふし)の凹みや、太さなど、人工物の矢とは異なることが容易に想像できます。
竹矢では、矢尻側を太く、矢羽根側を若干細くした篦(の)=シャフトなどもあります。
その1本1本異なる素材を使い、四矢、六矢のセットを作り上げるのには、矢師の熟練の技が必要となります。手間暇もかかるので、価格が高くなるのも当然ですね。
的中への影響について
自宅に、デジタル表示の出来る軽量ばかりがあったら、矢の重さをはかってみましょう。ジュラ矢やカーボン矢などは、それぞれの差がほとんど無いと思います。
ゆくゆくは的中向上のため、弓力に見合った矢(重さ・篦張り)を使用することも意識してみましょう。
ただし、重さが一緒だから大丈夫というわけでも無いのです。
大事なのは、むしろバランスです。
矢の重心がどの辺りにあるのかによって、射られた矢が的に向かう軌道が変わります。軌道が変わるということは、的中に影響があるということです。
射が安定すればするほど、この変化に気づけるようになります。新しい矢にしたときは、的中率の変化も意識しておきましょう。急に変化がみられるようであれば、それまでの行射と矢の相性を考える必要があるかもしれません。
矢のバランス確認について
カーボンやジュラ矢を購入するときに、バランスを確認して購入するということはほとんど無いと思います。
しかし、バランス調整のためのおもりが販売されているということは、必要であれば使うこともあるということを覚えておきましょう。
その際には、そもそも矢のバランスがどうなっているのか自分で確認が出来なければいけません。
ここでは、自宅でも簡単にできるバランス確認の仕方を紹介しておきます。
1.平らなテーブルなどに曲がりの無い矢を1本置きます
(この際、矢羽根側はテーブルからはみ出した状態にしておきます。回転させるためです)
その上に、確認や比較したい矢を矢尻側の先端を揃えて平行に置きます。
(矢尻側が浮いた状態です)
2.下なっている矢のシャフトをゆっくり指で回転させます
3.先に矢先が落ちた場所か、矢に目印をつけるとよいでしょう
4.もう1本が落ちた場所を見ることで、バランスの違いが分かります
反対の矢羽根側も、動かすことで浮いたり沈んだりします
まとめ
いかがだったでしょうか。大変簡単に重心の違いを確認することができたのでは無いでしょうか。
まったく同じ長さの矢、同じ材質で比較する場合は大変わかりやすいです。ただし、異なる材質や異なる長さの場合は、矢尻の落ちる時のズレが適当なものなのかどうかを経験的に学ぶ必要が出てきます。
そのために必要なことは、まず行射を安定させることですので、頑張って修練しましょう。
私は、さまざまなシャフトの色や羽を楽しむために買い換えるのも自由だと思います。
弓道に限らず、どのスポーツでも、どの世界(仕事)でも、「こうでなければならない」といった考えに固執したり、押しつけたりするようになると進歩もなくなるし、楽しくなくなりますから。
楽しさの中から、弓道の奥深さに気づいてくれる人が増えてくれたら嬉しいですね。
動画
最後に、Youtubeに上げた動画で、バランスの確認方法を復習しておいてください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。