道具のお話し PR

弓道のお金の話し(予算・費用)。初心者の道具、価格はどれくらいかかる?

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前回は、弓道をはじめるときの問い合わせについて記事を書きましたね。

今回は、弓道をはじめるときに多くの人が不安を持ち、疑問に思う点である「道具」などの価格についてお答えします。この記事を読めば、購入時の注意点やおよその価格などが分かり、きっと気持ちを楽にして弓道の世界に入っていけますよ。

そもそも初心者は最初から道具をそろえる必要はありません!?

実は、弓道をはじめるからといって、最初から道具をすべて買っておく必要はありません。

服装も派手でなければ、ジャージ靴下という格好で十分です。弓道教室などでも、ジャージOKのところは多いと思います。
※スカート類は袴の代わりになりませんからおそらくダメです。

動きやすい格好であればジャージがなくても大丈夫だと思いますので、教えてくれる先生方に練習時の服装についてはあらかじめ聞いておきましょう。

確かに弓道ではいくつかの用具が必要になりますが、おそらく地元の弓道連盟などで保管しているものがあると思います。引退した方が、寄付したモノがある場合もあります。

いずれにせよ、問い合わせの時に道具を借りられるか質問しておきましょう

続けられるか不安な方もいると思いますが、いきなり一式そろえる必要がないと分かるだけでも気持ちが楽になりますよね。

最初は、手ぶらでOKのところが多いです。

弓道教室によっては、教室に入るときにお金がかかることもありますので確認を。

弓道教室という形式は、年に数回、地域の広報などに案内されたりすることがありますが、そのタイミングを待たずとも、面倒をみてくださる方がいると思いますので気軽に問い合わせしてみてください。

あとは、弓道場などの施設の利用料くらいでしょうか。

最初は、借りられるのであれば、素直に弓道連盟などの道具を借りしましょう。

道具を購入するのは、少しずつ、弓道について分かってきてからで十分です。

なお、学校などで部活動として始める場合、中学・高校では3年間、大学では4年間は使いますから、どんな道具がいくらくらいですといった案内や連絡が顧問の先生や先輩から示されると思います。

それでは、実際に道具を購入しようとするときにどんな道具をそろえていけばよいかを一緒に見ていきましょう。

弓道で使う道具について

弽(ゆがけ)のお話し

yugake

最初に買う必要が出てくるとすれば、弽(ゆがけ)または「かけ」と呼ばれるものです。

画像の弽は、「三つがけ」といって、親指、人差し指、中指の三指を覆うタイプになります。

他には、「四つがけ」という、親指から薬指までを覆うタイプ、すべての指を覆う「諸(もろ)がけ」もあります。上級者になるとこちらに移行される方もいますが、必ずしもそうしなければならないわけではありません。

ある程度上達すると、四つがけをまねしたいという人が多い気がしないでもありません。若干、作法が変わります。

現に、錬士・教士・範士の先生方でも、そのまま三つがけを使用している方は結構います。

初心者が初めて弓道に接するときは、指導者から指定がない限り、まずこちらの三つがけを選ぶようにしましょう。

ご覧のように弽には、いくつかの色がありますが、さらに他の色もあるんですよ。
オーソドックスなのは茶色ですが、いつも使うので好きな色を選べばよいと思います。

野球に例えれば、自分専用のグローブといったところです。スポーツ店に置いてあるグローブを買うのであれば、実際に手を入れてフィッティングを試してみますよね。弓道の弽も同じです。

弓道具店に行くことができて、あらかじめ在庫があった場合、すでに製造されているモノがあれば、実際に挿してみて(弓道では弽に手を入れることを「挿す」といいますので覚えておきましょう)手合わせ(フィッティング)をして購入するのが望ましいです。

その際には、遠慮せずにいくつか試させてもらうこと。
ここで、恥ずかしがったり遠慮してはいけませんよ。

お店の人もアドバイスしてくれると思いますが、基本的なことだけ書いておきます。

1.「下がけ」をつけてから試すこと。
※親指を覆うところ「堅帽子(かたぼうし)」は、堅くなっていますので後で調整が効きません。他の指は多少はなじんできます。

2.指を入れ、カケ紐を軽く巻き、手の形を弦を引く(取り掛け)時のかたちにしてください。

3.その際、親指は伸ばして「まっすぐ」です。帽子の中で弦を握るように「曲げる」ことのないようにします。

4.その状態で、空間に遊びがほぼないようなものを選びましょう。

5.あわせて、「控え」(手首側の堅い部分)も腕周りのサイズに近いモノを選びましょう。

6.人差し指、中指についても、取り掛けの形で指先に空間がないようなものを選びましょう。

7.最後に、以上の点を意識した上で、「会」の位置に持って行き、手の甲や手首付近に隙間が少ないモノを選びましょう。

※挿すときの姿勢で手のひらを上にしたままの状態だけで合っているか判断しないことです。

※弦枕、弦溝の形状についてもお店ごとに微妙に違うのですが、初めての時にはそこまで分からないと思いますので、指導者の方の意見を参考にするとよいでしょう。

ちなみに、指導者の方も国内で販売されているすべての弽を試した方はまずいないと思います。

購入した弽は、あなたにとって「かけがえのないもの」になるはずです。
諸説ありますが、この「かけがえのない」という言葉は弽からきているともいわれています。

手になじんだ弽は、射手にとって「替えが効かないほど、とても大切な物」ということです。

価格は、手形合わせだと20,000円前後からありますが、オーダーで作成するものには高いものだとウン十万円のものもあります。

 弓道具店が近くにない場合は、紙に手形を線で書いたり、指周りの太さを測ってお店に送る(必ず郵送:FAXは歪みます)ことで、在庫の中から近いもの「手形合わせ」したものを発送してもらうこともできます。

この手形あわせの場合は、交換も可能なお店が多いですが、完全オーダーメイドの弽は、返品や交換が効かないので気をつけてくださいね。

近隣に弓具店がない場合、フルオーダーで最も安く、それでいて長く使える商品もあります。

私はコチラの商品をオーダーして、錬士五段になってもまだ実際に使用しています。いくつか別の弽を試したことはありますが、手形合わせよりもフィット感があります。

何年も使うモノですし、一般的な既製品価格+アルファと破格の値段ですので、私は最初からオーダーしました

※指の太さを測るときは、必ず誰かに手伝ってもらい正確に計りましょう。

また、メンテナンスをしていけば、長く使うことができますよ。

★ワンポイント★

七分縁

写真の弽で濃く青い部分(縁)を見てください。

中指の根元から青い縁が付いているのがおわかりでしょうか。

このようにつけた縁を「七分縁」といいます。
縁なしと七分縁では数千円の差があります。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

有料オプション 【並用】七分縁へ変更
価格:2160円(税込、送料別) (2019/4/21時点)

他に「総縁」といって親指のところまで縁をつけたものがあります。

縁なしは長く使っているうちに柔らかくなってきますので、もし可能であれば、そういったことが少ない「七分縁」を私はお薦めします。

下がけのお話し

弽を購入すると、1枚サービスでつけてくれることが多いです。

しかし、夏場の練習では汗などですぐに湿ってくるので、複数枚用意しておくことをお勧めします。

画像では、白と黒ですが、模様が入ったカラフルな下がけを利用している女性もいます。
もちろん、男性が柄付きを付けてもいいんですよ。

見えないところにおしゃれ心ですね。

弓道着のお話し

次に用意したいモノは、弓道着です。

こちらも、ネットショップには弓道着一式のセット商品があります。
購入したモノを見せてもらいましたが、まったく問題のない商品でした。

この弓道着の姿にあこがれて、中学や高校で弓道部に入部する人も多いようです。大人になって着こなすのも素敵です。

さらに上級者になると、着物を着ます。普段着物を着る機会がほとんどなくなってきた日本ですが、大人(特に女性)は、そちらに憧れる人もいるようです。

静けさの中に、凜とした立ち姿って格好いいですよね。

弓道着は、男性も女性も黒い袴姿で同じモノだと思われている方もいるようですが、微妙に男女で形が異なるので、購入間違いしないようにしてください。

重要なことは、袴のサイズ(特に長さ)は、腰の位置、足の長さと人それぞれ異なるので、表の数値を信じるよりも可能であればどなたかの袴を借りて合わせてみて、上下の長さ(号数の元になる数値)を測っておくとサイズ間違いがなくなります。

適切な位置に袴を合わせて、下端がくるぶしのあたりにきていれば大丈夫です。

審査では、着装も見られますから、引きずったり短すぎるモノを購入しないようにしましょう。

足袋のお話し

足袋の色は「白」。

福助の足袋なら価格を押さえたものでも品質が保たれている印象ですが、必ずしも弓道具店で買う必要がないので、一般の店舗で安いところを探して購入してもOKです。
着物を取り扱っている店舗で安く販売していることもありますよ。

また、北国では、冬に床がすごく冷えます。

なかには、冬用に内側がふわっとした暖かいモノも売っていますから、夏用・冬用と季節に合わせて使い分けるといいでしょう。

足袋は、汚れたら新しいモノを用意してくださいね。

学生さんは、何日も同じ足袋をはく人がいると聞いたことがありますが、衛生的でないのできちんと毎回洗いましょう♪

矢のお話し 

意外に思われるかもしれませんが、矢は「消耗品」です。

特に、学生さんは毎日のように練習に使います。

初心者の方も射型が身についていない段階では、「掃き矢(はきや)」といって、的に届く前に手前の土などに落ちた際、シャフトも羽もこするので痛みが進みます。また、弓の握り皮の上にある「籐(とう)」に触れてもこすれていきます。

もちろん、練習量に比例しますので、大人の方で練習を週に1、2回であればそれなりに長く使うことはできますので、ご安心ください。

ですので、こちらも最初から値段の高いものを購入することはありません。

お金に余裕があれば別ですが、ターキーの羽がついたアルミシャフト(ジュラ矢)で十分です。

また、矢束(やづか)といって、人それぞれ矢の長さが異なります。

一般的には、左腕を肩の高さにして指先まで伸ばした姿勢で、のど仏から指先+10~15cm程度といわれています。これも1人では計測しづらいので、誰かに協力してもらいましょう。

短いと、引き尺が安定していない初心者の方は、引き込みすぎて危険なので注意しましょう。

なお、アルミのジュラ矢であれば、パイプカッターを使って簡単に自分で短くすることができますので、長いと感じても修正が効きます。

厳密には、男性用、女性用というのは存在しないのですが、弓力(弓の強さ○kgなど)によって、一般的に男性(2015)女性(1913)としているようです。弓具店でも、そのラインナップが一番種類が多いです。デザインを選んだら、お店で希望の長さにカットしてくれますよ。

参考までに弓力との対比表を載せておきましたので、ご覧ください。

種類 直径 近的矢 遠的矢
1813 7.15mm 9kg以下 12kg以下
1913 7.5mm 10~13kg 13~16kg
1914 7.5mm 12~15kg 14~16kg
2014 8.0mm 13~16kg 16kg以上
2015 8.0mm 13~18kg 18kg以上
2114 8.35mm 15kg以上  
2115 8.35mm 16kg以上  
2117 8.5mm 20kg以上  

★弓力の違いで、シャフトを選ぶことが大切。

矢は、シャフトの材質よりも、羽によって大きく値段が異なります。現在では、「矢羽の使用に関する準則」が定まり、使用できない羽根も決められています。

安定して、的や安土に届くようになったときに羽根が傷んでいたり、シャフトの曲がりが目視で確認できるようになったときが次の購入のタイミングだと思います。

参考までに、矢は、修理も可能で羽根だけ取り替えることも、羽根は再利用してシャフトだけを交換することも弓道具店に頼めばやってくれます。軽い曲がりだけなら、熱を加えて修正することも可能です。

凹みや穴などは、危険防止のために交換しましょう。

大会では、弓具点検というモノがあるので、普段から道具の状態を把握しておきましょう。

買い換え予算を抑えたい方は以上のような方法も覚えておくとよいでしょう。

弓のお話し

初心者でも大人の方が、ついつい最初に欲しくなってしまうのが、my弓です。

これまで順番に必要になるモノを載せてきましたが、弓はもっとも最後にしておきましょう。もちろん、こう伝えるのには理由があります。

「矢」の項目で、「弓力」という言葉を使っていたのを覚えていますか。
(見逃した方は確認を)

弓というのは、見た目が同じように見えても実際に弦(つる)を張って弓を引くときに必要な力がいろいろあります。

弱い弓だと、5kg辺りからあるんです。(小学生なども使えます)

一方、強い弓では20kg以上のモノまであります。(強弓などと呼んだりします)

※一般的に、同じ銘柄の弓でも1kg間隔で商品(弓)を製造しています。

★自己の矢束の長さや身長などにより、並寸、2寸伸び、4寸伸びなどと弓の長さも変わってきます。

★グラス弓、カーボン弓、竹弓などと素材によっても種類が違います。

また、弓道教本第一巻には、以下のような記載があります。

・自己の体力相応の力の弓を使用しなければならない
・弓二張りの肩入れができる力の限度の二分の一が自己の適当な弓力といわれている

そして、弓道の練習を積み重ねていくと、最初は弱い弓を引いていたけれど、徐々に強い弓を引くことができるようになってきます

※番手をあげるときには、1kgずつだったり、2kg間隔だったりしますので、指導者と相談しながら決めましょう。

初心者であれば、なおのことステップアップする期間が短い傾向にあります。

ですから、いきなり買ったりすると、すぐに使わなくなってしまう結果に終わります。

少し、もったいないですよね。

ある程度、弓道に慣れ、弓力が安定しはじめる頃に指導者に相談してみるのがお薦めです。

まとめ

■初心者にかかる費用は...。

弽・・・・・・2~3万円
七分縁・・・・・2,160円
下がけ・・・・・・120円~
弓道着一式・・10,285円~
矢・・・・・・13,000円~
弓(グラス)・・25,000円~

以上は、ネットショップを参考に拾ったのですが、安くそろえるとして、7~8万円程度でしょうか。

モノによっては、フリマアプリやオークションサイトで格安で手に入るモノがありますので、予算に応じて上手に利用しましょう。

ただし、弽だけは店舗で買った方がよいですよ♪

買う前にいろいろ調べて楽しむのもよいと思います。

それでは、しっかり修練していきましょうね。

次回は、弽(ゆがけ・かけ)の挿し方のポイントという記事を書きます。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

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