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コロナウイルスで弓道の大会や審査が中止や延期に|VTR映像審査とは?

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こんにちは、ユミシモンです。

先日、高体連が全国高校総体(インターハイ)に対し、史上初の中止という決定を下したばかりですが、コロナウイルスの影響は、当然のように一般弓道の世界にも大きな波としてやってきました。

令和2年4月29日付けで公益財団法人全日本弓道連盟から通達が出されました。

内容は、今年度予定されていた、6~9月末日までの中央競技会ならびに中央審査会を原則として全て中止する、という内容でした。

1.中止になる中央協議会

大きな大会は以下の通り

①全日本勤労者弓道選手権大会 6月12日14日(三重県 名張市)
②全国大学弓道選抜大会    6月20日21日(全弓連中央道場)
③全日本教職員弓道選手大会  8月 6日 8日(岐阜県 岐阜市)
④全国中学生弓道大会     8月15日16日(全弓連中央道場)
⑤全国高校総体弓道競技    8月21日〜24日(茨城県 水戸市)
⑥全日本弓道選手権大会    9月18日22日(全弓連中央道場)

*全日本選手権大会については、9月の開催は中止とする。 ただし、今後状況が好転した場合につき、実施可能と判断でき得る状態になれば、10月以降に開催することもあり得る。その場合の出場選手の選考方法、競技方法については、改めて検討する。
*国体弓道競技会(10月9日12日/鹿児島県 出水市)については、関係団体の意向に従い決定次第連絡する。

全国大会は、中学生の大会も実施はされません。

「全日本」と冠のついた勤労者・教職員大会、そして、日本一を決める全日本弓道選手権大会も中止の範囲に入ってしまいました。

全日本弓道選手権大会は、天皇杯・皇后杯として国内で最も格式のある大会として知られています。

救いなのか分かりませんが、状況が好転した場合10月以降に実施する可能性を記載してきました。

都道府県によって異なりますが、通常であれば、5月頃には地区の予選(選考会)が実施されている全国大会です。約4ヶ月前から選考会を実施していますので、10月以降に実施検討といっても、年をまたいでの実施になるかもしれません。

気候を考えると、男性の肌脱ぎは中に白筒を着用することが許されるかもしれませんね。

同じように、国体(国民体育大会)についても、地区の選考会がどのように、いつ行われるか今後の情報をよく見ておきましょう。

2.中止になる中央審査会

すでに、5月の審査はすでに中止案内されていますが、さらに以下の審査会が中止になります。

①【九州地区】錬士臨時中央審査会  6月 7日(熊本県 熊本市)
②【北信越地区】錬士臨時中央審査会 6月14日(石川県 金沢市)
③【北海道地区】錬士臨時中央審査会 6月21日(北海道 帯広市)
④【中国地区】錬士臨時中央審査会  6月28日(島根県 松江市)
⑤【仙台】定期中央審査会      7月10日11日(宮城県 仙台市)
⑥【東北地区】錬士臨時中央審査会  7月12日(宮城県 仙台市)
⑦【岐阜】特別教職員臨時中央審査会 8月 9日(岐阜県 岐阜市)
⑧【四国地区】錬士臨時中央審査会  8月16日(愛媛県 松山市)
⑨【北海道地区】臨時中央審査会   8月29日30日(北海道 札幌市)
⑩【福岡】定期中央審査会      9月12日13日(福岡県 福岡市)
⑪【北信越地区】臨時中央審査会   9月26日27日(新潟県 上越市)

北は北海道から南は九州まで、どの地域がということではなく、一律に期間で区切られています。

錬士の審査も勿論ですが、定期や臨時の中央審査のダメージは大きいかもしれません。

教士や七段・八段では、一次審査通過者の扱いがどうなるのか心配な方もいると思います。全弓連には、通常一年間という猶予期間の延長措置などを早急に示してあげて欲しいと思う次第です。

3.地方・連合審査会の中止及び高校生以下のVTR審査

9月中までに予定されている地方・連合審査会は全て中止になります。

高校生以下については、次の通りアナウンスが入りました。

 ただし高校生以下については、在学中に受審の機会を設けることが出来ればと考えております。
つきましては、新型コロナウイルス感染症に対応し、休業となっている学校が再開されるなど、今後の状況が好転し、部活動が実施となった場合には、高校生以下を対象本年度に限り、特例措置として部活動中 VTR 映像による審査の合否判定を認めることといたしたいと存じます。
なお、具体的な実施方法等の詳細については 、現在、審査・講習会関連委員会の中長期部会にて検討を行っており、あらためて地連会長各位へご提示する計画となっております。
また、上記 の提示と併せて、審査の業務委託契約 について正式にご案内いたします。

かなり驚いたのが、VTR映像による審査の実施についてです。

最初に読んだときには、「VTR映像」という言葉のインパクトが強くて、どこかの会場で順番に撮影でもするのかと早とちりの思考になってしまいました。

救済措置としてVTR映像を使うという発想は、大胆ながら、全弓連もやわらか頭な対応をするものだと感心したのです。

しかし、後で読み返してみると「部活動中の」という言葉にさらに驚いてしまいました。

え?

部活動中?

すぐに浮かんだのが、学校に弓道場持っている学校持っていない学校があること。

さらに浮かんだのが、学校に弓道部がなくても頑張っている中学生や高校生は?という思いでした。

むろん、そういった対応は考えてくれるものと信じていますが…。

VTR審査を考えてみる

さて、それではユミシモンとして初のVTR審査の実施について、あれやこれやと気がついたことを書き出してみようと思う。

仮定の審査対象者は、無指定~三段までで考えます。

まずは、問題点となりそうなことを書き出してみよう

思いつくことをまずは列挙してみます。

・道場(学校)の奥行きは充分で、入場から退場までを確保できているか
・審査は5人立ちが一般的だが、5人立ちができる会場を指定するのか
・5人立ちが出来ない幅の場合、何人立ちまで実施を許容するのか
・道場(建物)がなく、野立ちの練習場の学校は実施可能なのか
・坐射が基本だが、野立ちの学校は立射で可能なのか
・野立ちの学校は、板などが用意されていない場合、運動靴の使用でもよいのか
・建物も野立ちもない学校の場合はどうするのか
・部活動が学校に存在しない児童・生徒は受験できないのか
・VTR審査を実施可能とする期間はいつまでにするのか
・VTR審査を実施できる回数の制限はあるのか
・VTR審査を実施する時間帯(自然光や照明の違い)の制限を設けるのか
・審査の段位によって、撮影する場面を指定するのか
・撮影機材は、どのようなものを用いるのか指定するのか
・撮影するとき、解像度のアンダーラインを指定するのか
・撮影する人物は、全身が入る映像だけか
・撮影は射手から何m離れるなど距離の指定はあるのか
・撮影は審査委員長の場所からか、5人目の位置か、真正面か
・撮影するレンズの位置は身長の異なる射手ごとに変更するのか
・初段・弐段は「矢所」、参段は「的中」という言葉が「審査統一基準」に出てくるが、的も同時撮影を行い、編集で同一画面に埋め込む必要があるのか
・音声volは、指定をするのか
・撮影は一人一人止めながら行うのか、無編集で行うのか
・データの提出はどのように行うのか
・そもそも撮影は、誰が行うのか

短時間で考えただけでも、結構な量になりました。

今度は問題点をクリアするために必要なことを書き出してみます

Q:道場(学校)の奥行きは充分で、入場から退場までを確保できているか
A:全国で統一は不可能と考え、審査内容から外す
ただし、地区ごとの道場を必ず借りて実施すると決めた場合はこの限りではない

Q:審査は5人立ちが一般的だが、5人立ちができる会場を指定するのか
A:全国で統一は不可能と考え、審査基準から外す
ただし、地区ごとの道場を必ず借りて実施すると決めた場合はこの限りではない

Q:5人立ちが出来ない幅の場合、何人立ちまで実施を許容するのか
A:仮に行うのであっても、撮影条件の項目で立ち人数を考慮する必要がなくなる(後述)

Q:道場(建物)がなく、野立ちの練習場の学校は実施可能なのか
A:野立ちであっても、床の代替となるモノを用意して行うのであれば可能とする

Q:坐射が基本だが、野立ちの学校は立射で可能なのか
A:立射で審査を受ける者が通常の審査でも居るので問題ない

Q:野立ちの学校は、板などが用意されていない場合、運動靴の使用でもよいのか
A:この場合には、床のある道場を利用して足袋で行うこととする

Q:建物も野立ちもない学校の部活動の場合はどうするのか
A:学校から要請を受けた地連は、地区の道場などを融通して会場の提供を行う

Q:部活動が学校に存在しない児童・生徒は受験できないのか
A:地連に直接相談し、日時を決めて地連側で撮影を執り行う

Q:VTR審査を実施可能とする期間はいつまでにするのか
A:当面の間、学校の休校や部活動の停止指示が解除された日から9月末日までとする
ただし、休校期間が延びた場合には、別途期間を指定して通達する

Q:VTR審査を実施できる回数の制限はあるのか
A:2ヶ月に1度程度とし、地連に連絡した指定日時で実施し、必ず3人以上の地連役員が立ち会うこと

Q:VTR審査を実施する時間帯(自然光や照明の違い)の制限を設けるのか
A:できるだけ自然光が望ましいが、やむを得ない場合は充分な照明の下であれば実施可能とする

Q:審査の段位によって、撮影する場面を指定するのか
A:機材繰りが統一できない可能性があるため、射位のみとする

Q:撮影機材は、どのようなものを用いるのか指定するのか
Q:撮影するとき、解像度のアンダーラインを指定するのか
A:機材の指定は行わないが、必ず三脚で固定し、フルHD以上の画像で撮影すること
審査は50型以上のモニターに投影し、5人の審査員が同時に見られるような画質でなければならない

Q:撮影する人物は、全身が入る映像だけか
A:射位での全身映像(打ち起こした時の両拳と矢が必ず入る位置)とする

Q:撮影は射手から何m離れるなど距離の指定はあるのか
A:機材(統一されていなければ)のレンズ角によっても異なるため、距離の指定はしない

Q:撮影は審査委員長の場所からか、5人目の位置か、真正面か
A:真正面からのみとする

Q:撮影するレンズの高さは身長の異なる射手ごとに変更するのか
A:可能であれば、(例えば)男性は袴の上端、女性は上端から15cm程度下の位置にレンズの位置を合わせる
(しかし、それを行うと不正防止のための連続撮影は難しくなる
もしくは、審査員席の視線の平均として1m~1m10cm程度とする

Q:初段・弐段は「矢所」、参段は「的中」という言葉が「審査統一基準」に出てくるが、的も同時撮影を行い、編集で同一画面に埋め込む必要があるのか
A:撮影を誰が行うのかによっても編集技術の関係で大きく考え方が変わる
プロでなければ、的側の映像を編集出来ない可能性が非常に高いので、映像ではなく、立ち会った地連の役員が必ず記録(略式の図面または掃き矢など)を残す

Q:音声volは、指定をするのか
A:機材の中間Volとして、審査に大きな影響は与えないものとする

Q:撮影は一人一人止めながら行うのか、無編集で行うのか
A:先ほども記入したが、不正防止の観点からも無編集が望ましい
したがって、遠近競射の時のように、立ち位置(大前とか2的とか)を決めて撮影を行い、2本引き終えたら次の者が前に進み2本を射る形で実施する
危険が及ばないように配慮した上で、的の矢はその都度抜くこととする

Q:データの提出はどのように行うのか
A:撮影データは、その場で立ち会った地連の役員に提出をする
USBやSDカードなどの媒体に保存したモノを提出し、地連役員は、その場でデータが再生できるかを必ず確認しておくこと

Q:そもそも撮影は、誰が行うのか
A:理想はプロカメラマンが、指定された日時に撮影に出向く
次に地連、次に学校等の機材とする

ここまで、いろいろ想像しながら書いては見ましたが、「審査の業務委託契約」というのが、今回の場合、プロカメラマンとの契約を指すのかどうかだけがわかりません。

大会での活躍を元に大学から声がかかる選手もいたはずですから、審査であってもおこなってあげられるのであれば、実施の方向でお願いしたいとユミシモンも考えます。

ただし、的中率は高く全国レベルだったとしても、審査を受けずにきた選手がいる可能性も充分に考えられます。

そのような選手が、無指定で受験しても初段までしか取得できないのはなにか歯がゆいかもしれませんね。

審査というモノは、受験料もかかりますし、個々の事情によっては必須のものではないと思います。

大会で上位入賞を狙う人もいれば、審査で高段になる目標を持って修練する人、どちらも狙っている人と様々な人が弓道の世界にはいます。

どのような状況下であっても、他の人を蔑んだり、自分だけよければいいやという考えにだけは、同じ弓引きの一人としてなってほしくはありません

早く、それぞれ自分の目標に向かうことができるような世界が戻ってくることを祈るばかりです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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