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弓道審査|学科(筆記)実技(体配)で無指定初段から五段まで意識すべきこと

こんにちは、ユミシモンです。
今回は、日本の武道において切っても切れない?段級審査についてのお話です。

無指定から五段までの審査基準を確認して審査に臨(のぞ)みましょう。

審査の話をする、その前に

あなたは練習をしていて
どうすれば中るようになるのだろうか
・自分には何が足りないんだろうか
もっと上手になりたい…etc
と、他にも様々なことで悩んだりしたことはありませんか。

例えば、「手の内」についての疑問や悩みも技術や知識のレベルによって変化します。

私も分かったつもりでやっていましたが、修練するほどに考えさせられます。
弓道に限らず、上達したことによって同じこと(同じ内容)であっても、今までとは異なる新たな悩みや疑問が湧いてくるものです。

弓道は、剣道・柔道・空手などと決定的に異なるところがあります。
そう、勝負をするときに直接組み合って戦う相手がいないことです。

弓道教室や部活動で始めたばかりの初心者から範士の先生方まで、基本の射法八節を経て行射をすることや的までの距離28mも当然ながらみんな同じ。
(流派ごとの作法は、ここでは触れません)

なのに、上達するたびに悩みがつきないのが弓道。

私自身はそういうところも含めて弓道が好きですが(笑)

スポーツとして取り組んでいるので、「審査」には興味が無いという人もいれば、自分の上達具合を客観的に判断してみたいという人、どちらもいると思います。

私自身は、どちらの考えもその人にとって「その時の弓道」なのだから、それでいいと思います。

審査に関していえば、
受けてみたいと自分自身で考えた時が、きっと受審に適したタイミングです。

審査統一基準について

少々前置きが長くなりましたが、審査について確認してみたいと思います。

弓道教本の巻末に審査規定が載っているのを目にしたことがあると思いますが、公認資格制度・資料集には、より具体的な審査統一基準(五段以下)があります。審査にあたる先生方は必ずこの基準を見ています。

入学試験のように、テストの○×がはっきりしていて点数化されるのであればわかりやすいのですが、弓道の審査は「人が」「人を」見て判断します。

その統一基準があるのなら、受審者側としてはそのレベルを備えるための努力や修練は最低限必要なものなのだと理解して審査に臨みましょう。

弓道教本の巻末だけでは、情報が不足していますのでよく確認しましょう。

※審査統一基準は公開されているものですので誤解なきようにお願いします。

五段

五段 射形・射術・体配共に法に適って射品現われ、精励の功特に認められる者
体配 規矩に適った起居進退身につき、落ち着きある容儀、態度。
和服着用、肌脱ぎ又は襷さばき(坐射)の実施。
射法
射技
基本体型の堅持。縦線を軸とした引き分け。充実した会。詰合い・伸合い。
気合いの発動による鋭い離れ、弦音、残身、弓倒し。
体配と相俟って射法、射技の総体に現れる位と調。

五段を受審されるレベルになれば、それ相応の体配や射技、的中率がともなってきていると思います。きっと、私が見ても立派な射をしている人がたくさんいるのではないかと推測します。

ですので、その頃に意識していたその他のことを私なりに書き出してみたいと思います。

射品」というキーワードが出てきます。そして「位」と「調」という言葉も。
この言葉は、故宇野要三郎範士が日頃から強調されていたこと。
すなわち「現代弓道の修練の眼目」と呼ばれる中に出てくる言葉でもあります。

また、品位と格調という言葉を合わせると「品格」という言葉が生まれます。

体配と射法射技が渾然一体となり、品格のある射が生まれなければならない」とも記載されています。

では、品格ってどうすれば出てくるのだろうか、身につけられるのだろうかと考えました。
しかも、その品格を射と合わせて「射品」に昇華させ、なおかつ審査員に伝わるようにするために必要なこととは何だろうかと悩みます。

「品」という文字を使った別の言葉に「気品」という言葉があります。
意味を調べると、【どことなく感じられる上品さ。けだかい品位。】とありました。
ただし、気品という言葉は、女性だけのものではありません。

気品とは、着飾ったり、自信ありげにお高くとまるのではなく、そのようなことをしなくてもその人の内面から「にじみ出てくる」ものだと思います。

普段の立ち居振る舞いから、道場内での過ごし方まで様々な場所で意識をしてみました。
審査練習の時、審査のときだけ取り繕うのではなく、一射一射で意識をするようになったと思います。

するとあるとき、「呼吸」が今までよりも穏やかになっていることに気がつきました。
そのように自分で感じられたというのが一つの分岐点だったのかもしれません。

四段の項目の中に「気息正しく」という言葉が入っているのですが、呼吸は動作の始まりであり終わりでもあります。正しくおこなったその先に「気品」というものがあるのではないかと感じています。

正直なところ、自分自身にどの程度の「射品」が現れているのかは分かりません。

ただ、「品格」や「気品」っていうものは身についている本人にとっては、意識するものではないんじゃないかなとも思うのです。

意識せずとも、射品が体配や射法・射技からにじみ出てくるようになりたいものです。

つらつらと書いてみましたが、何かのヒントになれば幸いです。

四段

四段 射形定まり、体配落着き、気息正しく、射術の運用法に適い、離れ鋭く的中確実の域に達した者
体配 体配身につき、息合いとの協応。
適正な行射の運行(審査の要領、射手相互の間、失の処理など)。
射法
射技
縦横十文字の規矩と五重十文字。気息正しく射法に適った射術の運用。
心の安定・気力充実した会。詰合い・伸合い。
手の内の働き(正しい弓返り)、鋭い離れ、気合いのこもった残身。

四段になると、参段と比較して気息の「正しさ」(運行の動きに合わせた呼吸=息合い)を求められ、「離れ」についても見られるようになります。

まずは、呼吸に関して、入場の時から退場までの動きに合わせた呼吸を覚えましょう。

・入場「吸う息」から
・礼は「吸う」=おじぎ、「吐く」=戻す
・歩行は、「吸う(左)、吸う(右)、吐く(左)、吐く(右)」で一歩ずつ繰り返し

本座にて
・「吸う息」で半足後方に引き、息を「吐く」
・「吸う息」でゆっくりと腰を沈め、跪坐の完成で息を「吐く」
・膝を生かす時に息を「吸う」、上に伸びる気持ちで姿勢を作ったら息を「吐く」
※このときに、息を吐きながら、上体が沈まないように姿勢を保持する【重要】
※ネット動画でも、膝を生かした後に上体が沈む動画がたくさんあります
・揖も「吸う」で下げ、「吐く」で戻す
・「吸う」息で腰を切り、息を「吐く」
・「吸う」息で左足を踏み出し(右膝を越えない)、胴造りを崩さぬまま静かに立ち上がり、右足を揃え終わるタイミングで息を「吐く」
【以下略】

といった要領を自然に行えるようにしておきましょう。

「離れ」については、特に「緩み離れ」にならないようにしておきましょう。
また、反動で自然に妻手が広がると思いますが、二段階の動きのように故意に広げるのはやめましょう。無意識で二段階の動きをやっている人もかなりいます。

「的中」は、確実の域なので、束中(そくちゅう)が好ましいですが、矢所が揃うとよいですね。1本でも合格したという声を聞きますが、その他諸々の総合判断だと思います。

「充実した会」については、正しい詰め合い・伸び合いの時間も含むと考えれば、気持ちは楽になるかも知れません。会は「何秒」というモノではありません。

「弓返り」の記載がありますが、流派によっては正式には回転させないということもあります。ここは、審査ということですので、身につけておきましょう。

参段

参段 射形定まり、体配落着き気息整って、射術の運用法に従い、矢飛び直く、的中やや確実な者
体配 呼吸に合せた基本の姿勢・動作の実施。落ち着きある態度。
目づかい。審査の要領に則った行射。
射法
射技
射法八節に従った射術の運用。正しい足踏み・胴造り。五重十文字。
手の内の働き(弓返り)、矢束・頬付・胸弦・的付け。離れ、残身、矢飛び。

参段は、弐段と比較すると、全体的に入場から退場までの一連の動作を「落ち着いた雰囲気で行うことができる状態ではないかと思います。

それでは、「落ち着いた」とは、どんなところに気をつければよいかという疑問が湧くと思います。
それは、参段のみに出てくる「目づかい」にあるのではないでしょうか。

目づかいは、ものをじっと凝視しないで、半眼で柔らかく、かつ静かに見定めることが求められます。

的に中てるぞ!という気持ちや、一つ一つの動作はコレでよし!というような意識を「眼」でしっかり確認しなくても、正しい動作を身体が覚えている状態といえばいいでしょうか。

その状態になれば、呼吸に合わせて動作を行うときに眼(表情)に力が入ることもなく、柔らかな落ち着いた雰囲気が出てくるのではないでしょうか。

ぎくしゃくした感じもなくなり、審査員も落ち着いて見ていられるようなレベルになってくるでしょう。

落ち着きという言葉と共に、「正しい」という表現も入ってきます。
弐段では、概ね適正と表現されていたものを正しく行うことが出来なければなりません。

射法八節の一つ一つを呼吸と共に丁寧に運行できるように日頃から練習をしておきましょう。

弐段

弐段 射型・体配共に整い、射術の運用に気力充実し、矢所の乱れぬ
体配 執弓の姿勢、矢番え、足の運びなど基本の姿勢・動作のほぼ確実な実施。
射法
射技
概ね適正な三重十文字、五重十文字。気力ある射術の運用。
離れの方向、気力ある残身。的中不問。

※今後追記予定

初段

初段 射型・体配型に適って、矢所の乱れぬ程度に達した者
体配 基本の型に適った姿勢、動作。節度ある態度。
射法
射技
型に適った射法八節の運行。スムーズな引分け、努力した会、元気な離れ、気力ある残身。
弓倒し後の崩れのない姿勢。
矢枕落ち不問。

※今後追記予定

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